市販薬を手に取ったとき、多くの方は効能や用法だけをサッと確認して服用されているのではないでしょうか。しかし、裏ラベルには健康を守るための重要な情報が詰まっています。私たち薬剤師が日々お客様に説明している「知っておくべき市販薬の情報」について、今回は詳しくご紹介します。
ドラッグストアで何気なく購入する頭痛薬や風邪薬。その成分や注意事項を正しく理解せずに服用することで、予期せぬ副作用が生じたり、効果が十分に得られなかったりするケースが少なくありません。特に持病をお持ちの方や他の薬を服用中の方は、成分の相互作用によって思わぬ体調不良を引き起こす可能性もあります。
この記事では、市販薬のラベルに記載された情報を正しく読み解き、最大限の効果を安全に得るための具体的なポイントをご紹介します。薬の選び方が変わる、薬剤師ならではの視点をぜひ参考にしてください。健康管理に役立つ情報が満載です。
1. 市販薬の裏ラベルを読まないと危険?薬剤師が明かす「成分表示」の重要チェックポイント
薬局やドラッグストアで市販薬を手に取るとき、多くの方はパッケージの表面だけを見て購入を決めています。しかし、薬の安全な使用のために最も重要な情報は、実は裏ラベルの成分表示に隠されているのです。市販薬を適切に選ぶためには、この「成分表示」の読み方を知ることが不可欠です。
まず確認すべきは「有効成分」です。これは薬の効果を発揮する主成分であり、同じ症状に効く薬でも含まれる成分が異なる場合があります。例えば、頭痛薬ではイブプロフェン、アセトアミノフェン、ロキソプロフェンなど複数の選択肢があります。これらは効き方や副作用のリスクが異なるため、自分の体質や症状に合わせて選ぶことが重要です。
特に注意が必要なのは、複数の市販薬を併用する場合です。風邪薬と頭痛薬、風邪薬と鼻炎薬、整腸薬と下痢止めなど、予期せぬ相互作用を起こす可能性があります。成分表示を確認せずに複数の薬を服用すると、同じ成分の重複摂取や相互作用により、副作用のリスクが高まることがあります。
アレルギー体質の方は「添加物」の確認も欠かせません。着色料、保存料、香料などの添加物は、主成分ではありませんが、アレルギー反応を引き起こす可能性があります。
妊娠中や授乳中の方、高血圧や糖尿病などの持病がある方は、特に成分表示の確認が重要です。一般的な市販薬でも、これらの状態では使用を避けるべき成分が含まれていることがあります。不明点があれば、薬剤師に相談することをお勧めします。
